街に開いた住宅展示場

旭川駅から歩いて10分ほどの好立地の住宅展示場の新設。緑豊かな北彩都地区なので、できるだけ街に開かれた会場が望ましいと考えた。本来住宅展示場は内向きで閉じた場所になりがちだが、旭川市の景観条例に配慮し、二面の道路と一面の遊歩道に面する外周部を極力街に開放された雰囲気に設えた。

右手の市の遊歩道とシームレスに会場を繋ぐ

 

 市の歩道に開く敷地境界際

会場の突き当たりには横に長い平屋建てのインフォメーションセンターを配置。入って正面に事務室、右手には多目的室などの居室、左手にはトイレを配置。奥の駐車場へとスルーできる通路にはハウスメーカーのインフォメーションボードを道産カラマツで作り円弧状に並べている。

インフォメーションセンター正面

 

インフォメーションセンターのポーチ空間

 

 多目的室

 

 
 

多目的室では道産カラマツを使った新しい建築材料のCLTで屋根を作った。梁材はカラマツ集成材と鉄筋のハイブリッドトラス、構造計画は(株)ニヘイの協力で「建築計画工房」の佐藤氏。CLT板の使用により、小梁を無くしスッキリとした小屋組となった。

小屋組のハイブリッド梁と天井のCLT板
 
灰色の鉄棒がトラスの引張材、黒い棒は照明ダクト用
 
ハイブリッドトラス(株式会社ニヘイ)
 
建築相談室
 
 
展示スペースを兼ねた通路
 
メーカー用の展示台
 
 
会場内の休憩ベンチ
 
 

植栽と石組みのでザインは、この地域で長く造園業を営んでいる「いずみガーデン」に依頼、北彩都地区を散歩する人がちょっと腰掛けられるように自然石を配置、モデルハウスの道路側の室外機などの設備は植栽で目隠ししている。 会場内はイベントを自由に行えるように広い中央通路が貫いているが、単調にならないようクランクさせて奥へと歩みを進める。

  • 新築
  • 用途:展示場
  • 構造:木造 平屋建
  • 建築地:旭川市
  • 敷地面積:10655.40㎡
  • 延床面積:199.31㎡(管理棟)